【検査値のなぜ?】肝機能障害でASTとALTが上昇する

大変お久しぶりです!!!

約1か月ぶりの投稿になりました。

最近は仕事に追われすぎて自分の好きなことをする時間があまりありません。(悲しい・・・)

でも、結婚生活は順調であります笑。

では本題!

検査値シリーズの第二弾です!
第一弾は炎症反応についてでした!
今回は肝機能についてです!

※ちなみに第一弾を読んでないよ~ってかたはこちらです!👇

[検査値のなぜ?] 感染症でCRPとWBCが上昇する
目標

①ASTとALTがなにかわかる

②どんな時にASTとALTが上がるかわかる

肝機能障害について

まず最初に肝臓ってどんな仕事しているの?機能が障害されたらどうなるの?って話をします。

肝臓ってどんなとこ?

お酒を飲む人は良く知っているかと思いますが、アルコールの分解をしたりしてます。

大まかに3つのお仕事をしています👇

  1. 体に必要なタンパクを作り出し、栄養を蓄える
  2. 体の中に入ってきた有害な物質の分解
  3. 消化に必要な胆汁を作る

肝臓は体重の50分の1を占める体の中で最も大きい臓器です。

右の肋骨付近に位置してる!

胃や小腸で食べ物から栄養素を吸収したら、肝臓に運ばれてきます!

肝臓の機能障害をおこす病気

肝臓の障害には、急性なものと慢性なものがあります。

飲酒や食べすぎによって肝臓に中性脂肪が蓄積すると「脂肪肝」になります。

この脂肪肝が長期の炎症を起こすと「肝硬変」へと進行していことがわかっています。

これが慢性的肝障害といいます。

「肝硬変」は字のごとく、慢性的な炎症によって肝臓が繊維に置き換わって硬くなり、機能が低下する病気です。

その他肝臓の病気👇

肝臓の病気

・ウイルス性肝炎
・アルコール性肝炎
・薬剤性肝炎
・自己免疫性肝炎
・肝がんなどの悪性腫瘍
・胆道やすい臓の疾患による胆汁のうっ滞→肝障害
・肝膿腫
・心機能の低下→うっ血肝

詳しく説明するときりがないので、この辺で・・・笑

肝臓の機能が障害されると

肝臓は肝細胞と呼ばれる細胞が集まってできている臓器です。

肝障害では、この肝臓の細胞がダメージをくらいます。

この細胞がダメージをくらうことで、細胞の中にあった成分が外に出て、血流に流出します。

よって、血液検査では肝細胞の中に多い成分が多く検出されることになります!

(その成分がASTとALTってわけですよ!)

体にはどんな症状が出るのかというと・・・👇

急性肝炎の症状

・疲労感
・倦怠感
・食欲不振
・発熱(風邪に似た症状)

慢性肝炎の症状

・全身のむくみ(浮腫)
・黄疸(皮膚や白目の部分が黄色くなる)
・腹水/胸水
・肝性脳症

なんでこんな症状がでるの?って思いますが、それはまた今度!笑

肝臓の病気のことや肝臓の造影検査のこと詳しく書くときに紹介していこうと思います!

ASTとALTって何?

この英語3文字・・・一体なんやねん!って感じですね。

ASTとは『アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ

ALTは『アラニンアミノトランスフェラーゼ』と言います・・・

(やっぱり全然わんねー笑笑)

略を解いたところでわかりませんでした。笑

簡単にいうとこの2つは肝臓の細胞内に多く存在している酵素です。

ALTは特に肝臓の中に多いと言われている酵素で、このALTが検査値で上がっている時には、「肝細胞障害がある」と考えていいでしょう。

肝機能ASTとALTの基準値

AST=13~30U/L
ALT=男性:10~42U/L
   女性: 7~23U/L
※基準値は書籍によって異なったりもします。だいたいこれくらい!

気になった方は自分の健康診断の結果とか見てみてください!笑

この2つの数値が高かったら肝機能が悪いです!

ALTとASTの数値を見て病態を予測する

先ほど説明したALTの方が肝臓だけに多いので、ALTの上昇だけで肝機能を評価できるのでは?と思います。しかし、ALTとASTの関係をみることが病態のアセスメントとしてとても大事なのです!!

体の中で肝細胞の中だけに多い酵素はALTですが、肝細胞の中はALTよりASTの方が多く含まれています。(なんやねん!笑笑)

なので、肝細胞障害のごく初期の段階では”AST>ALT”の関係になります。ただし、障害が長く続く”ALT>AST”となります!

これは、ALTの方がASTよりも血中にとどまりやすいという特徴があるからです!(難しくなってきた・・・)

どっちがどっち?って混乱してきますね。笑

ASTとALTの関係と病気
ALTとASTの関係疾患
①AST>ALT・肝障害のごく初期
・アルコール性肝障害
・肝硬変  など
※肝硬変でASTの値はそれほど高くはならない!
②ALT>AST・肝障害が持続
・急性肝炎(ごく初期以外)
・慢性肝炎
・脂肪肝  など

肝細胞のダメージの原因を探る検査値

まず、ウイルス性の肝炎を疑う場合は、「HA抗体」「HBs抗原」「HCV抗体」などを検査します!

この検査で、B型肝炎やC型肝炎かどうかがわかります。

また、脂肪肝が予測される場合には、コレステロールや中性脂肪の値が高くなり、アルコール性ではγGTがかなり高くなる傾向があります。なので一緒に確認することが大事ですね!

肝機能の障害で指標となる検査

肝機能の障害で指標となる病態と、その検査値について紹介します!👇

  • 細胞障害
  • タンパク質の合成機能低下
  • 胆汁うっ滞
  • 線維化(肝硬変)

細胞障害

細胞の障害がある場合には、AST☝ALT☝

考えられる病態

・ウイルス性肝炎
・薬剤性肝炎
・アルコール性肝炎
・脂肪肝
・うっ血肝

タンパク質の合成機能低下

肝臓のお仕事の一つであるタンパク質の合成が障害されることによって起こります。

これによって血清アルブミン(Alb)☟コリンエステラーゼ(CE)☟総コレステロール(TP)☟プロトロンビン時間(Pt)☝が起こります。

考えられる病態

・慢性肝炎
・肝硬変
・肝不全

この場合、出血傾向と腹水や胸水に注意が必要になってきます!

Albの低下によって膠質浸透圧が低下して、サードスペースにどんどん水が溜まっていきます!

膠質浸透圧についてはこの記事を参考にしてみてください☟

【看護師の勉強ノート】輸液について②

胆汁うっ滞

肝臓のお仕事の一つである胆汁を作ることが障害されるため、胆汁が少なくなり、流れが悪くなることでうっ滞します。

これによって、本来胆汁の中にあるビリルビン値が血中で高くなる傾向にあります。

ビルルビン☝γGT☝になってたら、黄疸が出ていないかなど症状に注意が必要です!

線維化

肝硬変の病態になってくると、(肝臓が線維化すると)

血小板数☟線維化マーカー☝γグロブリン☝

血小板数が低下するので、慢性肝炎の悪化している場合にはこの数値に注目する必要があります。

まとめ

はい!久々に長いこと書きました。

長くなってすみません。笑笑

完全に医療者向けの記事になっちゃったんですけど、とりあえず肝機能が悪い人がASTとALTの検査値が上がるんだよってことをわかっていただければ万歳です。笑

本日のまとめ

・肝細胞の障害でASTとALTという酵素が血中に出てくる
・体の中で肝臓だけに多い酵素はALT
・肝臓の中で多い酵素はAST
・ALTは血中にとどまりやすい

です!!笑

今回もザックリでしたが分かりやすい内容でしたでしょうか?

次はすい臓のアミラーゼのこととか書こうかな~?と思ってます!

最後まで読んでくださってありがとうございました。

おわり!!!!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA