こんにちは。おまめです。
今回は、いっぱいある抗菌薬についてサクッと解説していこうと思います。
病棟で働いている看護師さんにとって、必ず通る道。
抗菌薬ありすぎ、コロコロ変わりすぎ、ナニコレ。っていう疑問。笑
例えば、肺炎で抗菌薬を開始するときは広範囲の菌に効くスルバシリンを点滴投与開始する。
痰培養やグラム染色の検査結果がでたら、もっと範囲を絞った抗菌薬に変更したりします。
最初は、なんでこんなコロコロ変わるの?とか、
どういうときにはこの抗菌薬!っていうのはあるの?とか
色々疑問が出てきますよね。
そんな疑問を少しでもすっきりさせたい!と思っております。
目次👇
- 抗菌薬のお約束
- 抗菌薬の効果判定と投与期間
- TDMって何?
- 腎機能が悪い人に抗菌薬を使用するとき
- 肝機能が悪い人に抗菌薬を使用するとき
目次
■抗菌薬のお約束
<抗菌薬使用にあたっての3原則>
- その患者さんが感染症かどうか(抗菌薬が必要?)
- 抗菌薬が効く感染症かどうか
- 抗菌薬の投与が必要かどうか
抗菌薬って何?って感じの方。
ずっと前にやっていたドラマなのですが、『仁』って見たことまりますか?
そのドラマの中で、よく綾瀬はるかが「南方先生!ペニシリンでございます!!」ってめちゃくちゃ言ってたと思います。
それです。笑
このドラマは、現代にいる医者である南方先生が、坂本竜馬とかがいる時代にタイムスリップして、
あらゆる病気と闘います。
当時大流行したコレラという感染症に対して使用されたのが、ペニシリン。
抗菌薬はその名の通り、菌と戦う薬です。
ペニシリンは、黄色ブドウ球菌に対し、とても有効に聞くものとして幅広く使用されるようになりました。
しかし、ペニシリンが多くの人に使われるようになると、ペニシリン耐性黄色ブドウ球菌が出現します。
ペニシリンが効かなくなった菌のことです。
この、ペニシリンに効かない菌に対応するため、メチシリンができました。
その後に、メチシリンも効かないグラム陰性桿菌(グラムいんせいかんきん)が問題になります。笑
これらに対抗するために、第1~第4世代セフェム系の抗菌薬が次々と登場しますが、
それでも効かないメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が出現しました。
終わりなき戦いが続いています。笑
「抗菌薬は、使えば使うほど耐性菌を作り出す性質をもつ」
ということの理解が必要です。
■抗菌薬の効果判定と投与期間
一般的に抗菌薬を投与してから2~3日は経過観察して、3日目に効果判定を行うことが多いです。
<治療効果判定>
判定基準はたくさんあります。
例えば、検査値。
白血球数、CRP(C反応性たんぱく)など!
この2つは炎症時に上昇します。
あとは発熱の有無です。
尿路感染症が疑わしい人は、尿中の細菌がないか検査したり、頻尿や排尿時痛などがないか確認していきます。
肺炎なら、喀痰量・呼吸数・呼吸困難感・喀痰グラム染色による細菌数の変化・動脈血ガス分析などを確認します。
<抗菌薬変更時のポイント>
- 2日間投与して明らかに全身状態の悪化、炎症所見があるときは中止して別の抗菌薬を投与する
- 全身状態がよく、発熱のみなら投与の中止を考慮する
- 明らかに効果があった際は同じ抗菌薬を続行
<変更時に考慮すること>
- 抗菌薬の感染部位への効きがわるい
- 原因菌と抗菌薬の効果の範囲が全然違う
- 感染症の悪化
<抗菌薬の投与期間>
- 基礎疾患のない急性感染症では、炎症が改善があればはやめに投与を終了する。
- 同じ抗菌薬の投与は、原則14日間以内
- 耐性菌と菌交代に注意!
■TDMって何?
腎機能が悪い人とかは、抗菌薬の長期投与や大量投与によって体内に抗菌薬がたまりやすくなって、中毒域に達することがあります。
そのため、有効性と安全性を確認するために、グリコペプチド系抗菌薬(バンコマイシン)やアミノグリコシド系抗菌薬を使用する際などは、血中の中にどれくらい抗菌薬が残っているのか定期的に採決をして調べます。
■腎機能が悪い人に抗菌薬を使用するとき
<腎機能低下時にも使える抗菌薬>
一般名 | 商品名 |
セフトリアキソン | ロセフィン |
スルバクタム | スルペラゾン |
ミノサイクリン | ミノマイシン |
アジスロマシン | ジスロマック |
リネゾリド | ザイボックス |
ミカファンギン | ファンガード |
<腎機能低下時に投与量を変更する>
一般名 | 商品名 |
クラリスロマイシン | クラリス、クラリシッド |
フルコナゾール | プロジフ |
イソニシアド | イスコチン |
■肝機能が悪い人に抗菌薬を使用するとき
<肝機能低下時に注意が必要な抗菌薬>
一般名 | 商品名 |
セフトリアキソン | ロセフィン |
マクロライド系 | エリスロシン |
テトラサイクリン系 | ミノマイシン |
クリンダマイシン | ダラシンS |
リファンピシン | リマクタン |
イソニアジド | イスコチン |
イトラコナゾール | イトリゾール |
メトロにダール | フラジール |