こんにちは。おまめです!!
本日のテーマは「輸液」についてです。
輸液とは、一般でいう点滴のこと。
輸液っていうといろんな種類があるのですが、今回は基本の電解質輸液製剤についてのみ解説していこうと思ってます!
基本の輸液とは、とりあえずルートキープに使ったり、捕液に使用したりする輸液のことです。
もちろん!電解質異常のよきにも使用します!
さて!早速解説していきます!!
本日の目次👇
目次
点滴は、体の中の不足した水分を補う効果があります。
水分不足の時、補う一番の方法は、口から水分を摂取することです。
でも、口から水分が飲めない状況のときは、点滴から血管の中に水分を入れて補います!!
それが「輸液療法」です。
点滴ができるのは、血管内のみです!
細胞の中や、その他の間質の中には点滴はできません!!
輸液には、水分輸液、電解質輸液、栄養輸液のどがあります。
基本となるのが「電解質輸液」です。
点滴を血管に入れるのは輸液療法!入れる液のことを「輸液製剤」といいます。
輸液製剤の定義は👇
輸液製剤とは、静脈内などを経て体内に投与することによって治療効果を上げることを目的とした容量50mL以上の注射剤であって、水・電解質異常の是正・維持又は、経口摂取が不能あるいは不良な時のエネルギー代謝、蛋白代謝の維持を目的とした製剤です。投与に際しては、主に輸液器具(点滴セット)により投与されます。
また、それらとは別に、薬剤投与のための溶解・希釈剤として用いられる場合もあります。
輸液製剤協議会ホームページより引用
輸液製剤は、ザックリわけると👇
- 水分輸液
- 電解質輸液
- 栄養輸液
- 膠質液(血漿増量剤)
水分製剤は、主に水分の補充を目的に投与されます。
ブドウ糖など炭水化物からなる輸液です!
代表的なものは「5%ブドウ糖液」!
1Lの水にブドウ糖が50g溶け込んでいます!!
電解質輸液は、電解質の補給と補正が目的で投与されます!
電解質輸液は、等張電解質輸液(細胞外液補充液)と、低張電解質輸液(維持液類)に分けられます!
等張電解質輸液(細胞外液補充液)
等張というのは、電解質の浸透圧が細胞外液(血漿+間質液)とほぼ同じということです!
は?って感じですね・・・。私もです。
まず浸透圧って何?って思います。
そんな方はこちらの記事から見ていただけるとわかりやすいと思います!!👇
【電解質異常】低ナトリウム血症とはこちらの記事の中に、電解質異常についてや、浸透圧の解説も載せています!!
つまりは、投与する輸液は細胞内にはあまり移動しないので、血管内や細胞外液にとどまります!
なので、名前のとおり、細胞外液を増やすことができるということです!
どんなときに使うの?というと、出血性ショックなどで血液が多く失われているときなどに用いられます。
低張電解質の種類👇
- 生理食塩液
- リンゲル液
- 乳酸リンゲル液(例:ラクテック)
- 酢酸リンゲル液(例:ソルアセトF)
- 重炭酸リンゲル液(例:ビカーボン)
生理食塩液
臨床の現場での通称は「生食」(せいしょく)です。
水1Lに9gの塩化ナトリウム(NaCl)が入ってます!!
浸透圧が体液に近い、代表的な等張電解輸液です。
しかし、NaとClしか入っていません!笑
Na=Clの割合です!
どんな時に使う?というと、
生理食塩液は、造影剤の検査後や患者さんの容態急変時に使用されます!
ただし、塩分制限中の患者さんに投与するのは要注意です!
リンゲル液
細胞外液によく似た製剤です!
Na+とK+とCa²+とCl-が入ってます。
ちなみにNa<Clの割合です!
乳酸/酢酸リンゲル液
乳酸/酢酸リンゲル液は、体内で重炭酸イオンになる乳酸と酢酸が入っています!
電解質のバランスに優れていて、生理食塩水に比べてNaとClの混注量も少ないため、NaとClの過剰投与になりにくいです!
生理食塩水だけををずっと投与し続けていると、アルカリ成分がうすまってしまい、酸性に傾いてしまいます。
これの何がまずいかというと、代謝性アシドーシスになってしまいます。
その一方で、乳酸と酢酸リンゲル液は、アルカリ成分のHCO₃-が含まれているので、アシドーシスに傾きにくいです。
さて、ここまで解説していきましたが!
- 乳酸と酢酸って何が違うの?
- 代謝される場所と代謝にかかる速度が違います!
乳酸は、主に肝臓で代謝され、代謝速度は遅いとされいいます。
酢酸は、肝臓以外の筋肉などで代謝され、乳酸よりも代謝は早いです。
ショック時などのアシドーシスが進行していることが考えられるときや、肝臓が悪い人には、逆にアシドーシスを助長させてしまう恐れがあるため、酢酸リンゲル液の使用がすすめられます!
臨床での代表的な乳酸リンゲル液は、「ラクテック」や「ソルラクト」です。
酢酸リンゲル液は、「ヴィーンF」や「ソルアセトF」です。
糖加乳酸/酢酸リンゲル液
この製剤は、正直私は全然知らなかったです。笑
糖加乳酸/酢酸リンゲル液には、電解質のみを配合した製剤と、糖を配合した糖加乳酸/酢酸リンゲル液があるそうです!笑
配合される糖は3種類くらいあって、いずれも糖濃度は5%です!
- どんな時に使用するの?
- 経口摂取が不良、もしくは困難な場合が多く、水・電解質とともに血糖を維持するために糖質を補給する必要があるときに使用します!!
重炭酸リンゲル液
この製剤は、リンゲル液の中でも一番人間の細胞外液に最も近い液と言われています。
しかし、価格が高いので救急や手術時なの重篤な場面を中心に用いられているの現状だそうです!
低張電解質輸液
低張電解質輸液は「維持液類」といわれ、基本的には等張電解質輸液と5%ブドウ糖液を混ぜたものです。
配合の割合に応じて1~4号液に分類されます!
- 1号液(開始液)
- 2号液(脱水補給液)
- 3号液(維持液)
- 4号液(術後回復液)
等張電解質輸液の割合が多いとナトリウムの補給効果が大きく、5%ブドウ糖液の割合が多いと水分補給効果が大きくなります!
1号液(開始液)
1号液は開始液と呼ばれていて、生理食塩水と5%ブドウ糖液を1:1で混合しています!
カリウムを含んでいないことが特徴です!
急変時などの水分・電解質補給の第一選択であります。
病態が不明な患者さんなどで、脱水でもしかしたら高カリウム血症の可能性がある場合は、カリウム入りの点滴を投与することで、血清カリウム値がいきなり上昇し、致死的な不整脈を誘発することがあります。
安全性を考慮する際にこの1号液=開始液を使用します。
2号液(脱水補給液)
2号液は、細胞内に多い電解質、カリウム、リン酸水素などを含んでいるのが大きな特徴です。
細胞内の電解質が不足する脱水時などに用いられます。
3号液(維持液)
病院でいっちばん使う輸液製剤です。
1日に必要な水と電解質が組織構成の基準となっています。
代表的な3号液は、「ソルデム3A」です。
4号液(術後回復液)
4号液は、電解質濃度が4種類の中で一番低く、水分の補給に最も効果てな働きをします。
腎機能が弱っている患者さんや、術後早期などに使用されます。
ひゃ~書きましたね。
長くなってすみません!
ザックリ輸液製剤の種類と内容について解説してきました!
等張電解質製剤は、細胞外液の量を増やします!!(ショックとかに用いる)
低張電解質製剤は、体全体に水分を補給する!またはナトリウム補給をするもので、「濃度の違う食塩水」って覚えておくと考えやすいです!
今回は水分製剤と電解質製剤の2つを紹介しましたので、次回は栄養輸液と膠質液について解説しようと思います!
また、輸液量の決め方とか、輸液速度の決め方も一緒に書いていきます!
おわり